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2008/02/10

奇跡のテーブルセッティング

 あたしは料理もするし、気がむくとお菓子なんかも作ったりするけど、料理にしろ、お菓子にしろ、製作過程で2回火を使うコロッケとか酢豚とか、焼き上がっても出来上がりじゃないスポンジケーキなんかは、考えただけでもう腰が引けるし、一度誤ってロールキャベツを作ったとき、夫・ミケーレがキャベツを丁寧に開いて、皿の向こう端によけたを見たときは、建設的な意味で運命を感じた(笑)。

 だから毎日食事を作るわりには、同じようなものを同じような周期で作ってご満悦なあたしだけど、その埋め合わせでもないのだけれど、食事のテーブルにはあたしなりのこだわりみたいなものがあったりする。

 もう10年以上も前、テーブル・コーディネーターという人の話を聞きに行った席で、配られた一枚のコピーには、「ダイエットのためのテーブル・コーディネート」という見出しで、テーブル・セッティングの一例が白黒で写っていたが、でこでこの金の縁取りのついたチャイナボーンと思しきスープ皿とメイン皿が位置皿の上にきちっと重ねられて鎮座し、その両脇には、用途の違う3種のナイフとフォーク、右上にはやはり3種類のグラスが整然と並び、センターには花が一輪か二輪高く活けてあった。

 見たからにヨーロッパの上流階級が好みそうなテーブルではあったが、例えば、泣く泣くたんぱく質とか脂質を諦めて、生のセロリを食べるにしても、とかくぎすぎすしがちになるダイエット中でも、食事をすること自体に喜びを感じられるし、切っただけのセロリだって隣に添えたキューピーマヨネーズだって、すこぶる気の利いたものに見えてくることであろう。

 これに感化されたものかどうか、とりあえず一式をシンメトリーに並べてみるとか、なんとなくテーブルクロスを2枚重ねてみるとか、買ってくる花の色はこうだとか、ちまちまやっている。そんな風に、常日頃からテーブルセッティングの印象で料理をごまかしごまかししていると、褒められたりすることもあるから、つい豊かな食生活を送っていると思い込みそうになるのもテーブルセッティングのいいところだ。笑

 ところで、うちは決して上流家庭ではないので、たいそうな料理はもともと作れない上に買えないので、必然食べない。食器類だって、身の丈にあった気に入りを揃えているだけだ。にもかかわらず、突然、うちのテーブルセッティングがおそらく日本国内なら一番ソフィスティケートされる奇跡のメニューがある。しかもあたしの意思の及ばないところで、見てくれには全く興味も理解もないミケーレの嗜好によって。

 ミケーレはハンバーグとチョコレート好きの野菜ぎらいという幼児みたいな嗜好で、外国人妻を悩ませるけど、お好み焼きは残さず食べるので、野菜が足りないなと感じると作るメニューのひとつだ。

 東北人のあたしは、西の人が、お好み焼きをおかずにご飯を食べると聞いた時は冗談だろうと思ったが、ミケーレはなんとパンを添えて食べる(笑)。スパゲッティばかり食べてるようだがイタリアの主食はパスタではなくパンで、レストランに入れば、会計にはテーブルチャージというよりはパン代がのせてあるし、メインディッシュにはパンは欠かせない。

 ということで、初めてお好み焼きを焼いた時に、「パンは?」と聞かれて以来、パンの籠もテーブルの上に並べる。そして、普段使いの平らな皿を選ぼうとすれば直径32cmのメイン皿しかないし、あろうことかミケーレはパンをちぎりちぎり、お好み焼きをナイフとフォークで食べるのだ。

 あたしのお好み焼きが、これは神戸の方から教わったねぎ焼きを下絵にしつつ、日本ネギは普通に手に入らないので、土地柄日本語にするとおしゃれっぽいポロネギで作るといっても、お好み焼き、パン、ナイフとフォークの組み合わせを見るたびに、面白い冗談のような、突然セレブリティの仲間入りを果たしたような、テーブルセッティングもここに極まれリという妙ちきりんな満足感を覚えるのではある。

 こんな風にテーブルセッティングは、日本酒風呂に入るぐらいゴージャスな気分にさせてくれるのに、飲める日本酒をお風呂に注いだというなんとなく後ろめたい気持ちを感じなくてすむのがいい。

 さっき思わず日本国内で一番と書いたが、ジローラモさんあたりもやってそうなので、3本の指に入る程度に留めておこう笑。

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コメント

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投稿: ヴィトン スーパーコピー タバコケース ワンタッチ | 2021/04/11 14:51

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